今回は、ジェイク・ジレンホールとアン・ハサウェイ主演の『ラブ&ドラッグ』(アメリカ映画、日本公開2011年)。
原作は、ノンフィクション『涙と笑いの奮闘記全米セールスNo.1に輝いた〈バイアグラ〉セールスマン』(箸ジェイミー・レイディ)。
アン・ハサウェイの作品がみたいな・・・
『プラダを着た悪魔』を観てファンになったんだよ~
彼女、とっても華があってかわいいよね~
かわいいし、魅力的な女性だよね!
彼女の大胆なシーンが満載の『ラブ&ドラッグ』は観た?
まだ観てない・・・・
薬におぼれて大胆になるって感じ?
なんか興味がわくわ~
薬におぼれはしないんだなぁ・・・
彼女がある病を患っているっていう結構シリアスな内容でもあるんだけれど、
明るいタッチで描かれているし、ラブシーンも多いんだよね!
彼女のことが好きな人ならたまらん作品だと思うよ~
LOVEを感じたい人にオススメしたい。
いいね~
みどころなんかも教えて~
まだ観ていない人に向けて、私なりにつづります。本作品のみどころは二人のラブシーンだと思うのですが、内容的には少しネタバレになっているかもしれません。ただ、ネタバレとかあまり関係のない作品かなぁと個人的には思っています。
映画『ラブ&ドラッグ』の作品情報
1、あらすじ
高級ステレオの販売員をしていたジェイミー(ジェイク・ジレンホール)だったが、上司と対立しクビに。
そこで、全米各地の病院をまわって薬品を販売するMRに転職した。
そんなある日、仕事で訪れていたシカゴの病院で、診察を受けていた女性マギー(アン・ハサウェイ)と出会う。彼女は、勝ち気な性格であったが、若年性パーキンソン病を患っていた。
二人はその後、割り切った体の関係を続けていく中で、恋仲になっていった。
病を患っている彼女とどう向き合ってつきあっていくのか・・・二人の先に待っていたのは・・・
2、予告動画
映画『ラブ&ドラッグ』の感想
1、アン・ハサウェイの女優魂がさく裂!大胆かつ繊細!
存在感のある主役の二人(アン・ハサウェイとジェイク・ジレンホール)なので、ラブロマンスにはぴったりだなぁと・・・
美男美女、最高です!
特に注目なのはアン・ハサウェイの大胆さと繊細さの両方を感じ取れる演技です。
前半は大胆さで、後半は繊細さ。
まず大胆さ!
二人の出会いからセックスシーンまで、とにかくいやらしく見惚れてしまうのですが、とにかくアン・ハサウェイの脱ぎっぷりがすごい・・・拍手!
すべてが美しいです。
平然と胸を男性医師に見せる姿にもドキドキします。
後半の繊細さ!
若年性パーキンソン病を患っていることを表現するために、細部にもこだわった演技をされていました。
蓋の開け閉めがままならないさまを、小刻みに震える指先と落ち着いて冷静になろうと唇を噛む仕草で表現してみたり。
強がっているものの本当はつらいという感情を爆発させるシーンでは、揺れ動く心情を繊細に表現・・・気持ちが痛いほど伝わってきました。
観ているこちらが寄り添ってあげたくなる魂のこもった演技。
大好きです。
2、パーキンソン病のリアルがわかる!
本作品は、前半は主役のマギー(アン・ハサウェイ)とジェイミー(ジェイク・ジレンホール)の体だけの割り切った関係が、後半はパーキンソン病との付き合い方、そしてそれに伴う二人の関係性の変化について描かれています。
全体として王道のラブストーリー展開に、重くならない程度にパーキンソン病を患う人々の集いや病とかかわりながらの二人の心情を盛り込んでいるわけですが・・・
一つ一つどのシーンをとっても脚本と演者とのコラボレーションは素晴らしいです。
前述した前半のセックスシーンはもちろん、後半も・・・
パーキンソン病のことを視聴者にも分からせるにふさわしい脚本になっていました。
パーキンソン病の人たちが集うシーン・・・ドキュメンタリーを観ているかのようなリアリティがある演出で学びもあり価値あるシーンになっていると思います。
病の進行は人それぞれで・・・
病の自らの経験を語るシーン
マギー(アン・ハサウェイ)が集いに参加する中で希望を見い出し前へ進んでいこうとするシーン
ジェイミー(ジェイク・ジレンホール)が参加者からパーキンソン病の患者と生きていく大変さを教わるシーン
どれもパーキンソン病の現実を知るうえではなくてはならないシーンのように思います。
一つ一つのシーンにはとても満足しているものの・・・しいて、不満を口にするとすれば、全体的な構成かなと。
あくまれ、私見ですが、映画全体としてはなんだかバランスがあまり良くないというか・・・詰め込みすぎ感が否めない気がしています。
恋愛ものと難病もののミックス・・・日本映画でもありますよね。
決して珍しくないとは思うんですが、本作品がなぜ詰め込み感があるのかについてちょっと考えてみたいと思います。
映画『ラブ&ドラッグ』の考察
1、王道ラブストーリー展開にリアリティがないのはなぜ?
体だけの割り切った関係から、惹かれあい、パーキンソン病を患う彼女を支えたいと思うようになるというストーリー。
ベタだけど、ラブストーリーはこうでなくっちゃという視聴者の期待を見事にも裏切っていない。
この”見事”というのがくせもので、型に見事にはまっているというにすぎないというのを皮肉っぽくいってみた。
決して、全体の構成としてお見事とはいっていないということです(本当に上から目線ですみません。考察なのでお許しください)。
ありふれた恋愛パターンにはめ込もうとしたんだけど、はまらないのに無理やり押し込んでいれちゃったって感じかな・・・
どうしてかというと、ストーリー展開にリアリティがないから。
割り切った体の関係からラブが生まれるというところは分かるのだけれど、そこから難病の彼女を支えたいという流れが早すぎはしないか?
そんな簡単に短時間に彼女を支えたいといえるほど軽い感じで描けるパーキンソン病ではないし・・
そうかといって本作品ではパーキンソン病を丁寧に伝えようとしている・・・
いったい何をメインに伝えたいの?
二人の恋をメインに構成するなら、パーキンソン病の現実をこんなにも丁寧に描く必要があったのか疑問です。
どっちつかずな感じになってしまっているところが残念。
明るく軽快なタッチで観る者を魅了することに重きを置くとしたら、やはりパーキンソン病と戦うことは重すぎて本作品のラブとは映画としての相性は良くないなぁと思います。
日本映画でもラブロマンスと難病系みたいなのはありがちですが、どちらかに重点を置く形で成り立っているように思います。
2、詰め込み感をなくすストーリーにするには?
本作品は、ありふれた恋愛パターンに押し込んでいて、ラブと病を詰め込んだ感じと前述しました。
ラブとパーキンソン病の相性がよくないとも前述しました。
映画の短い尺の中でベストに仕上げるには難しい作品といえるのではないかということです。
恋愛に奔放で適当であったジェイミー(ジェイク・ジレンホール)がマギー(アン・ハサウェイ)に対し本気の想いを伝えるという予想通りのラストに、どうも尻切れトンボ感が出てしまっている気がします。
パーキンソン病を描く意味ってあったんだろうかと思ってしまうわけです。
パーキンソン病を丁寧に描いてはいましたし、彼女のパーキンソン病を患っていることの心情や繊細な演技も素晴らしかったのですが、そのことと二人の恋愛との結びつきが弱いのがしっくりこない原因であるのではないかと思います。
『たった一人に出会っただけで・・・』という本作品のキーフレーズのインパクトも半減してしまっているような・・・
パーキンソン病のような進行性の病を描くなら、ラブ(恋)ではなくラブ(愛)で描いてほしいです。
難病で相当な覚悟がないとそばにいてあげることは困難だと思うので、本気の一時的かもしれない想いで「支えたい」と語らないでほしいなぁと・・・
苦労しながら献身的に支える生活をしながら生まれてくる愛情こそがほんものなのではないでしょうか。
本物の愛を描きたいなら、パーキンソン病で描いてほしいです。
前述したラブとパーキンソン病の相性というのは、恋とパーキンソン病の相性ということでしたね。
結論的に、詰め込み感をなくし、ラブ(愛)とパーキンソン病を描くには、尺をとれるドラマ化しかないですね!
映画での本作品のみどころは、主役二人の画になるセックスシーンやお色気シーンなのでそこを映画時間の尺いっぱいにとって観たかったというのが視聴者の本音ではないでしょうか。
まとめ
いろいろ意見してしまいましたが、魅力的な俳優陣の皆さんを観れる素敵な作品です。
脇役陣もいい味だしていて面白いシーンもちりばめられています。
一番は主演の二人の完璧な”画”ですね~この世のものとは思えない二人を観れるだけで幸せな気分になれるでしょう。
ラブしたい人・・・
パーキンソン病について知りたい人・・・
ジェイク・ジレンホールが好きな人・・・
アン・ハサウェイが好きな人・・・・
きれいな二人のシーンが観たい人・・・
病と闘っていて前向きになりたい人・・・
ぜひぜひ、観てみてください。
以上