今回は、市川実日子主演の映画『レンタネコ』(2012年公開)。
『かもめ食堂』でもおなじみ荻上直子による脚本・監督作品。
頭の中を空っぽにして、のんびり観られる映画って何かあるかな?
じゃあ、『レンタネコ』はどうかな?
『かもめ食堂』の荻上直子監督作品なんだけれど、監督の作品はどれも世界観が似ているんだよね。
『かもめ食堂』は観た?
有名だね~
でも、観てない・・・
そっかー、それなら『かもめ食堂』でもいいかも!
ネコ好きだから、『レンタネコ』からにするよ~
みどころなんかも教えてほしいなぁ
まだ観てない人にも読んでもらいたく、私なりの視点になりますが、つづってみたいと思います。
映画『レンタネコ』の作品情報
あらすじ
平屋で昔ながらの日本家屋。
その縁側でたたずむ一人の女性・主人公サヨコ(市川実日子)。
よく見れば、たくさんのネコたちも・・・
サヨコはここで暮らしながら、彼女のネコたちを貸し出すレンタルネコを営んでいる。
リヤカーにネコたちを乗せ川沿いを歩く。
「レンタ~~~ネコ・・」と言いながら・・・
レンタル業を通していろんな人と出会い、彼らの寂しい心の穴を埋めていく。
ある日・・・
予告動画
映画『レンタネコ』のネタバレなし感想
身構えず気楽に観れる!
本作品のいいところは、リラックス効果抜群なところではないでしょうか。
休日にのんびりしたい時もよし!
仕事から帰ってきて疲れている時もよし!
料理をしながらチラ見しながらもよし!
画面越しからゆっくり進む日常をぼんやり眺めて・・・というのもいいかもです。
ストーリーは一応あるっちゃありますが、リピートする日々がおだやかに過ぎていく感じではあります。
ストーリー性を重視しない本作品のような日本映画を毛嫌いする方もいらっしゃいますが、私的にはこういう映画もあっていいのかなぁって思っています。
気分や置かれている状況によっては、どうしても欲してしまう時があるんですよね・・・ただ、登場人物の内心をポエムみたいに語って終わり・・・みたいなのは苦手です。
映画って、画面に映し出された情景が視聴者に訴えかけてきてこそだと思うんですよね。
この点では、本作品は画面からの主張強いのでいいです!
日々の悩みなんて大体はささいなこと、なんてことない、どうにかなるって思えてくるようないい意味での適当な日常が私たちを癒やしてくれますよ。
縁側付きのお家の中が独創的!
人の日常を覗き見できるワクワク感ってありますよね。
それが誰かとの会話でなくても・・・
主人公サヨコの住んでいるお家の中、私には独創的に映りました。
縁側に面しているお部屋って普通、畳にちゃぶ台で和、色合い的には茶っていう昭和レトロなイメージだったんですけど・・・お部屋はカラフルでどちらかというと洋風なのか!?
現代風というのか、個性というのかよく分からないですが・・・
生活感のある居間にどっしりと置かれている仏壇がなんとも滑稽というか新鮮で・・・いい意味でしんみり感が出ていない・・・
庭にある歴代ネコ達のお墓も、今を生きているネコ達がくつろぐ居間と目と鼻の先にあって、しんみり感を感じ取れそうな距離感なのに・・・いい意味で感じ取れない。
輪廻転生を日向ぼっこしながらのほほーんと想う・・・みたいな感じかな・・・お気楽モードで。
生と死の断絶意識にメスをいれてくれるみたいで、私はこの空気感気に入っています。
市川さんのナチュラル感がまさに部屋の住人!
市川さん、めちゃくちゃ自然で、実際ここに住んでるって思わせるくらい部屋に馴染んでました。
市川さんが着てる洋服も部屋にマッチして独創的に感じました。
私のお気に入りのシーンは、部屋で洗濯物を干すシーン。
何食わぬ顔で交点を何個も作りながら、洗濯干しヒモをはりめぐらすところ・・・何気にすごい。
一人暮らしだからできるんですよね?普通あんなにもはりめぐらせませんもん。
現代は家で洗濯物を干す時は、竿にまとめて干す感じだと思うので、見慣れていないのもあるからでしょうか、好きですね。
賑やかな絵面と市川さんの手際良さが際立っていました。
のんびりした日常の中にあえて盛り込んだ演出も面白いですね。
映画『レンタネコ』の考察
リアリティーの中のファンタジーは溶け込んでいるのか!?
のんびりぼーっとできる作品であるなら考える必要もないのかもしれないですけど、一応考えてみたいと思います。
本作品の日常風景は独創的であリますがリアリティーに満ちています。
さらに、劇中からサヨコは血筋のいいネコでなくても野良ネコでも愛情たっぷりにすれば、そのほうがいいという考えを持っていることが分かります。
要は、”質素でも豊かに過ごせることに幸せを感じている人”なんですよね。
この部分はものすごく共感できます。
なのに・・・ですよ!!
ネコのレンタル業以外の職業が、株やら○○やら○○で???なんですよね。
質素でも豊かに暮らすという主義主張に似つかわしくないのばかり・・・
ファンタジーなんだろうけどこれってありなんでしょうか?
ここにファンタジーを盛り込む意味って何なんでしょうか?
ファンタジーという名の現実逃避ではないでしょうか・・・必要性がないのに。
サヨコの幸せのカタチがあるのならば、一貫性を持たせた職業のほうがいいと思います。
ネコ専門の素人写真家になったり・・・
ネコとの日常を絵に描いたり、ブログにしたり・・・
お家でこじんまりとネコカフェをしたり・・・
ネコたちと戯れながらの自給自足の生活をしたり・・・
「質素だけど幸せなんです」「ネコたちに囲まれて癒やされてるんです」っていう方が良くないですかね?
”幸せとは心の豊かさであって金や名誉とかで決まらない”という今の時代の思潮を上手く汲み取った作品なんだなぁと思いきや、実際のところは汲み取っていないんですね。
というわけで、リアリティーの中のファンタジーは、一貫性がなく溶け込んでいるとは言えないと思います。
自分本位な世界観はねこ達もなのか!?
本作品は人々の心を癒すためにネコを貸し出しましよーっていうストーリー。
私は私でこっちでのんびり〜
あなたはあなたであちらでごゆっくり〜
心にぽっかり穴があいているなら私のネコで穴を埋めてくださいね〜
こういうのんびり感とか自分本位な感じいいと思います。
ネコにとってはどうでしょう?
サヨコの家にいるときは好きなように動いたり寝転がったりでリラックス状態。
でも、身動きのとれないリヤカーに乗せられてるときは見知らぬ人に連れていかれるかもしれない運命にあってストレス状態かも。
なーんて、ネコの気持ちなんて分かるはずもないのだけれども・・・もしストレス下で、ネコ本位でないならかわいそう。
タイトルからすればネコが主役だし、ネコはのほほんとしているから何があってもネコ本位なんでしょうかね。
映画『レンタネコ』~関連映画を紹介します!
映画『かもめ食堂』もオススメ!
本作品『レンタネコ』は荻上直子による脚本・監督作品です。
ケセラセラと前向きに生きればいいよと教えてくれているような映画ですよね。
他にも荻上氏の関連オススメ作品があります。
荻上直子による脚本・監督作品で観ておきたい作品といえば・・
ズバリ、映画『かもめ食堂』です。
日本じゃなくていきなり異国の地に行って食堂ひらいちゃうあたりめちゃくちゃ行動力あって、前向き!そんなふうに生きたいと憧れる人も多いのではないでしょうか。
ほんわかした世界観はやはり本作『レンタネコ』と通じるものがあります。
ぜひ、まだの方は観てみてくださいね。
💛映画『かもめ食堂』の詳細はコチラ⤵💛
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まとめ
色々書いてきましたが、本作品はあーだこーだ考えるのではなく、ぼーつとしんがら感じるのが一番ではないでしょうか。
私たちの心の穴をきっと埋めてくれましよ。
ぜひ、ご賞味あれ。
以上