今回は、星野源の映画初主演作『箱入り息子の恋』(2013年公開)について。
『箱入り息子の恋』って、
なんか面白そうな予感がする・・・
箱入り娘は昔からよく聞くけど、箱入り息子とは・・・
なんか今風っていうか・・・
そうだね~
時代を反映しているタイトルで、
映画の内容もそうなってる。
コメディ要素が多分に入っていて、いろんな世代の人が泣いて笑って楽しめるんじゃないかな・・・
出てくる人たちがそれぞれ滑稽でいい味だしてるし。
力作だよ!
もっと楽しみ方、みどころなんかも教えてほしいな・・・
まだ観てない人にも読んでもらいたく、私なりの視点になりますが、つづってみたいと思います。
ちなみに、この作品で、星野源さんは第37回アカデミー賞新人俳優賞をとられています。
映画『箱入り息子の恋』の作品情報
1、あらすじ
主人公は、天雫(あまのしずく)健太郎(星野源)。家のすぐそばの市役所に勤務する35歳。独身。生真面目。今まで、女性との恋愛経験が全くなく、今までずっと両親と実家で暮らしている。
家と市役所を行ったり来たりするだけの生活を心配する健太郎の両親が、息子に代わって見合い相手を探す代理お見合いに出席する。そこで、盲目の少女・今井奈穂子(夏帆)の両親と知り合う。両家の顔合わせが、波乱の幕開けとなった。
二人はその後、どうにかして付き合うことになったものの、菜穂子の父にそのことをひた隠しにしていた。健太郎は菜穂子のために昇進試験を受けたりと変わろうとしていた矢先、奈穂子の父に交際がバレてとんでもないことに。
いったい二人はどうなってしまうのでしょうか・・・
2、予告動画
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映画『箱入り息子の恋』のネタバレなし感想
1、奈穂子(夏帆)の表情の出し方に拍手!!
本作品では、もちろん星野源さんの真面目を極めたザ・生真面目男の表情や動き、恋に暴走する過激な言動・・・よかったのですが・・・印象深くそして、すごいなぁと感心させられたのは、奈穂子演じる夏帆ちゃんの演技。
あどけなさが残る身なりや顔と、どこかはかなげな表情・・・デートの時の楽しそうな表情、お嬢様そのものでした。
より目がちや焦点があっていない感じで、盲目であることが画面越しからしっかり伝わってきました。
わたしのお気に入りシーンは、吉野家で二人が遠くで向いあって座っているシーン。
奈穂子が、牛丼を頬張りながら涙をながし号泣するところ・・・自然で、グッときてもらい泣きしていました。
2、いたるところにカエルくんが!!
ドラマや映画では、小道具やペットなどが作品を盛り上げるうえで一役買う場合がありますね。
本作品でもおりました!
主人公・健太郎の飼っているペットのカエルくんです。冒頭から登場します!
ただ単に飼われているわけではなく、主人公の分身であり、よき理解者であり、お守りであり・・・そして、恋のキューピットでもあり、この作品にとってはなくてはならない存在な気がします。
いろんな意味で登場してくるカエルくんの表情は、どこか星野源さんに似ている気もしてきました。
ほんのちょっとですが、カエルくんについて紹介を・・・
まず、分身としてのカエルくんは・・・やはり健太郎のカエルくんの鳴きまね。とにかく、どっちがどっちなのか分からないくらい似ています。それに、健太郎の柱にしがみついてはいあがろうとする姿と、カエルくんが水槽のふちにしがみついてはいつくばって
いる姿・・・激似です。
次に、理解者としてのカエルくんは・・・例えば、お見合いをすすめる両親に対して反抗的な態度をとる健太郎が、自分の部屋に戻ってきて水槽の中で待っているカエルくんの頭をポンポンとするシーン。部屋に戻ってきたときに鳴いていたカエルくんが、頭をポンポンされて、鳴きやみました。意思の疎通ができていて、すごい。微笑ましく思いました。「大丈夫??心配しているよ~」とカエルくんが鳴けば、「大丈夫だから・・・」と健太郎。こんな感じかな・・・
さらに、お守りとしてのカエルくんは・・・仕事場のデスクにも文房具!?としてのカエルくんがいて、健太郎の仕事ぶりを観察しています。いつでもどこでもカエルくんに見守っていてほしいことがわかります。何よりも、カエルくんのことが好きなんでしょうね。
最後は、恋のキューピットとしてのカエルくん。本作でのカエルくんの一番重要な任務ですね。分身としてのカエルくんともつながってきますが、とにかく二人のことをつないでくれます。見てのお楽しみに。
実際のペットとしてのカエルくん・・・
文房具としてのカエルくん・・・
ペットとまるで生き写しのような人間のカエルくん・・・
いたるところにいたカエルくんがストーリーにうまく絡んでいて演出、上手だなぁと感じました。
3、意見がわかれるラスト20分!しらける?笑える?
「前半いい映画だったのに・・・後半、こりゃないでしょ?しらける」といった意見がちらほら見られますね。
意見がわれる作品を作りだすのも才能だなぁと思ったり・・・きわどい線でせめてきているわけですから、その点だけでも評価に値するのではないでしょうか。
それはさておき、肝心のストーリー展開のほうですが、わたし的には、楽しませて笑わせてもらったので『あり』ですかね!!
確かに、ツッコミどころはあります・・・健太郎が、不老不死状態でどんなことがあっても元気になっているところとか、現実味がなくておかしいでしょ?って思いました。そして、こりゃないでしょ?という意見の方は、静かな純愛物語がラストでいきなり怒涛の展開を迎えて、はたからみてドン引きするようなオチでありえないって感じているみたいです。その意見も一理あります。
が、しかしです。
純愛からの急転直下型の展開は、さえない男が初めて恋に目覚め、恋に盲目になり、恋に暴走し、恋に脱線しつつもまた恋に走るという状況を描くにふさわしいものであったのではないかとわたしは思いました。
よく結婚前に遊んでいなかった男性は結婚してから浮気に走るということがささやかれたりします。
真面目な人だからこそ暴走するととんでもないことになるイメージにぴったり。
なので、突っ込んで自爆みたいな・・・これ以上言っちゃいけのでやめておきますが・・・ありでいいと思うわけです。
奈穂子が盲目であったことも幸いしていますかね。
実際の様子を奈穂子が目にしたら一気に冷めてしまったかもしれませんので。
映画『箱入り息子の恋』の考察
1、今の時代に求められる父親像を提案?
この作品の面白いところのひとつは、いつの時代なのかわからなくなってしまうほど、昔と今が混合しているところです。
例えば、ピンクの電話の竹内都子が演じるとなりのおばあちゃんなんて、いつの時代の人よって思っちゃいます。となりの様子を見ているだけでもいやらしいのに、図々しくはいっていく感じ。おせっかいにもほどがあります。今でもこんなおばさんいるんですかねぇ・・・
一番考えさせられたのは、父親像です。
平泉成さん演じる健太郎の父・天雫寿男をみていると、今の時代に必要とされている父親像になっているのかなぁと感じずにはいられませんでした。
寿男は、昔ながらの考えと雰囲気をもっています。普通の家庭を築いて、普通に子どもを育てて・・・と。おそらく、結婚後も自分たちと同居もしくは近所に住んでほしいと思っているのでしょうね。
現代社会の生き方なんかを理解していると思われるわたしの母も、同じ考えをこころのどこかで今ももっているようです。ことあるごとに、「同級生の〇〇くん、めちゃくちゃ親孝行よ。全然お金かかってなくて、ストレートで〇〇大学で、〇〇に勤めて・・・かたいよね。それで、早くに結婚して両親のとなりに家をたてて・・・」と続けます。
一方で、寿男は、どことなく今風の父親であるなぁと感じます。とにかく威厳がない・・・わたしが、どちらかというと厳しい父に育てられたからかもしれませんが、なんか息子のご機嫌をとっているように見えます。
息子の反抗的な態度に対して、ぎゃふんと言わせることもせず、逆に息子の気を引くために息子がしているゲームを自分が攻略してそれに勝てたらお見合いするようにと仕向けたりと、とにかくいい意味でいうと息子に寄り添う優しい父親です。
優しさの極みは、35歳になるまで食事、家事つきで親元で暮らせてあげたことではないしょうか。娘だったらわかりますが、息子なのでその辺は、甘いな・・・過保護だなぁと・・・
職場が家の目と鼻の先にあったからかもしれませんが、冒険させないように親がそうさせたのかもしれません。
こんな感じで、寿男は、考えと行動がミスマッチな父親ですが、これこそが、今求められている父親像なのではないのかなぁと考えさせられました。
今の時代、本当に生きていくのが大変です。失職、ひきこもり、ニート、孤独・・・
大変だからこそ、突き放して「一人でやれ」っと、簡単に追い出したりできない時代にさしかかってきているのではないでしょうか。
簡単に職を失い、一人になって、一生誰とも接しないで孤独死なんてことが・・・ありえない・・・こともないわけです。
だからこそ、寄り添ってあげることのできる寿男のような父親が必要なのではないでしょうか。
そして、寄り添い方のひとつとして、結婚の提案があるのではと・・・
お見合いし結婚することへのお膳立ては、決して昔の考えをもった押しつけではない父親の優しさのような気がします。
そういう意味で、本作品は、『第三の父親像』ともいうべく理想の父親像を提案してくれたのではとわたしは思います。
2,タイトル『箱入り息子の恋』に込められた思いとは?
タイトル『箱入り息子の恋』というのをみて、箱入りなのは娘だろ・・男の箱入りは気持ち悪いだろう・・と思った方。
そのような方に向けられたメッセージがこのタイトルには含まれているのではないかと思います。
上記で、今求められる父親像を提示していくれている作品であることは書きました。
娘でなくて息子であっても大切に温室で育てて、できる限りそばで見守ってあげてもいいのではないかという思いをタイトルに託したのではないでしょうか。
当たり前ではないけれど受け入れる時代にきているということが言いたいのではないでしょうか。
親にすすめられてお見合いをして純愛をして、でもなかなか障害が多くて・・・という二人の恋愛を単に描きたかったのかはわかりませんが・・・
少なくともわたしは、二人の恋の背後にある親の思いだったり社会の思いが、『箱入り』という言葉に込められている気がしてなりません。
現代を反映しているタイトル、作品である点で実は深い映画であると思います。
まとめ
演技、演出、脚本、作りての伝えたい思い。この映画は、たくさんみどころ、楽しみ方があることがわかっていただけたかと思います。
批判的な意見をもっておられる方もいるみたいですが、観て損はない映画ではないでしょうか。
意見がわかれているストーリー展開に興味がある人
ラブコメが好きな人
純愛好きな人
お見合いに乗り気でない人 など
特にオススメです。
ぜひ、観てみてください。
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