今回は、フィンランドの児童文学が原作の映画『オンネリとアンネリのおうち』(2014年フィンランド制作、2018年日本公開)。
主演、アーバ・メリカント(オンネリ役)、リリャ・レフト(アンネリ)。
原作者は、フィンランドで長く愛され続けているマリヤッタ・クレンニエミ。
最近観た中でオススメ作品紹介させて!
児童文学作品が原作なんだけど、めちゃくちゃかわいいから観てほしい。
フィンランドの作品『オンネリとアンネリのお家』!
かわいいのいいね!
ストーリーもあるの?
ストーリーも意外や意外、深いんだよね~
だから、大人でもイケる・・・
とにかくかわいさにほっこりすること間違いなし!
みどころなんかももう少し教えて!
まだ観てない人にも読んでもらいたく、私なりの視点になりますが、つづってみたいと思います。
映画『オンネリとアンネリのおうち』の作品情報
あらすじ
茶髪の少女オンネリと金髪の少女アンネリは大親友で、よく一緒に遊びます。
彼女たちの家庭環境はというと・・・
オンネリは、9人兄弟の真ん中で、両親は下の子たちに手がかかり、オンネリのお世話をするどころではありません。オンネリが家を出ても気づきません。
アンネリも、両親が離婚する中で、両親の家を行ったり来たり。
さみしい思いをしていた二人・・・「私たちだけのお家があったらいいのに」と話していました。
そんな矢先、夢みたいなことが起こります。
道端に落ちていた封筒を拾うところから、あれよあれよと話が進んで、一軒のお家を手に入れ、二人だけでそのお家に住むことになりました。
お隣さんたちとも交流し、二人暮らしにも慣れてきた頃、ある事件が起こります。
予告動画
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映画『オンネリとアンネリのおうち』のネタバレなし感想
ガーリー女子の好きがつまっている素敵な作品!
とにかく作品を一言で言い表すと、『かわいすぎる!』
女の子に限らず、オトナ女子もきっとかわいくてキュンキュンするはず!
レビューの評価が、総じてかわいい!!
どれほどかわいいか興味をもった私は、暇つぶしがてらに映像を流していたのですが、始まってすぐに画面を食い入るように観ておりました。
かわいらしいお家
かわいらしいインテリア
かわいらしい小物たち
かわいらしいお洋服
かわいらしいお菓子
かわいらしい草花
かわいらしいオンネリとアンネリ
二人のお揃いがいっぱい・・・双子コーデがかわいさをより引き立てています。
色どり豊かな映像は、幸せな気分にさせてくれます。
かわいいがつまった至れり尽くせりの親友二人だけの暮らし・・・素敵です!
ファンタジーの世界を表現する小道具や草花の演出がユニーク!
本作品は日常の中にファンタジーが散りばめたれています。
例えば、ご近所の姉妹さん家のお庭の中、ニワトリ、料理・・・
作り手の遊び心がいたるところで見て取れます。
数々のこだわりや仕掛けは、オトナも童心に返ったような気分にさせられワクワクします。
子どもだったらなおさらでしょう。
街並みやお隣さんやオンネリアンネリのお家のお庭を見ると、のどかな自然あふれる素敵な場所でどちらかというとオトナ向きなのかも・・・
子どもから大人まで楽しませてくれる演出で観る者を飽きさせない作りになってますね・・・作り手さんのみんなに幸せな気分になってもらいたいという想いが伝わってきます。
ファンタジーが日常を邪魔しないところがすごい!
アンネリとオンネリは、二人だけのお家を手に入れます。
小さい子ども二人で手に入れたお家と聞くと、普通現実味がなく、ファンタジーだろうと思いますよね。
本作品のストーリーの経緯からしても、不思議なおばさんバラの木夫人が登場して、あれよあれよという間にことが進んで二人でかわいらしいお家に住むことになるのでファンタジーなのでしょう。
でも、ファンタジーなんだけど、リアルな生活に絡めていって、ファンタジーがリアルな日常に溶け込んで、いつの間にか日常になっていく感じ。
本作品はそういう感じが出ていて、すごいなぁって思いました。
ちょっと分かりづらいですが、ファンタジーのはずなのにファンタジーじゃないみたいにストーリーが進んでいくんですよね。
リアルな日常から人々の心の内をしっかり描きたいから、このようなストーリー展開になっているのではないでしょうか。
バラの木夫人はちょっと分かりませんが、オンネリとアンネリをはじめとするリアルな人間の心模様は現実を生きる私たちに訴えるものがあり、ファンタジーとは無縁でした。
ファンタジーが日常を邪魔しない秀逸な作品だなぁと思いました。
映画『オンネリとアンネリのおうち』の考察
生きる力を育むフィンランド式教育から学ぶ!
本作品を観て一番感じたのは、オンネリアンネリが人として素晴らしいということ。
ただ、かわいいだけじゃない!
まだ7歳なのに・・・
普通こんなこと言える?
こんなこと気がつける?
こんなこと出来る?
と、感心しっぱなしでした。
二人で暮らすことで、すごさがより顕著になっていました。
ざっくり気づいたことといえば・・・
挨拶ができる
お礼が言える
物怖じしない
お邪魔するときに手土産を持っていく
人懐っこい
分担して家事をし、貯金し、 仲良くできる
人をいたわれる
オトナの恋も理解できる!?
知恵がある
勇気もある
人には事情があることを分かっている
相手の立場にたって考えて、意見することができる・・・
あげればきりがないくらい・・・すごくないですか!?
7歳の女の子ですよ〜オトナでもなかなかできないですよね。
オンネリの弟だって知恵と勇気を兼ねそろえていました。
本当にすごい!
これは、フィンランドでの教育の成果を示しているように思いました。
フィンランドは、生きていくための生きた教育を世界の先駆けとなってされているんですよね・・・で、結果も出しているよう。
人生トータル教育!!!たるものを・・・目先にとらわれず、人生において役にたつ教育ということですね。
一方日本といえば、2021年現在、知識偏重の机上のお勉強中心教育から脱却していこうといろいろ試行錯誤しているところみたいなのですが、まだまだ成果がでているとはいえないようです。
フィンランドは、机上のお勉強はほどほどにしているんだなぁと思っていたのですが、そうでもないところもまたまたすごい。
PISAテスト(OECDが行う15歳対象の共通テスト)で世界でトップクラスだそうです。
生きるために自主的身につけた知恵等が発揮されることで机上のお勉強もカバーしてしまうということなのでしょう。
というわけで、日本の未来を見据えた教育にも期待しましょう!
で、話を本作品に戻します。
というわけで、二人でお家に住まわせること自体が教育の一貫といわんばかりに・・・フィンランド式教育を見せられているようにも感じました。
もしや、フィンランドでは親の許可なく子どもでも家の売買できるの?
もしや、二人のお家はファンタジーでもなんでもないのでは?
とすら思えてきたからすごい・・・
フィンランドの革新的な教育が児童文学にまで反映されていることは、多くの人が教育について考えるきっかけにもなりとても意義深いことなのではと思います。
本作品が挑戦的とも思える私は、やはり日本の教育にどっぷりつかってきたのでしょうね。
一歩間違えば、無責任と言われかねない女の子二人暮らしをどうとらえるか?
オンネリとアンネリは7歳にして、二人だけで一軒家に住むことになります。
二人して、家族の中での居場所がない・・・いなくても家族のみんなは気づかないという背景事情がありました。
ファンタジーということを抜きにして、このような状況をどうとらえたらいいのでしょうか。
オンネリが母親に「アンネリと二人で暮らす」旨の発言をした時、母親は「いいよ」と返事。
あっさりしたものでした・・・いくら下の子に手がかかるとはいえ、よくよく考えてみるとおかしな話なんですね。
7歳の子を監視下に置かないこの状況は、育児放棄(ネグレクト)と言われてもおかしくないです。
でも、後になって気づいたことだけれど・・・本作品を観ていて、ネグレクトという発想に私は至らなかったなぁ・・・と。
なぜかというと、オンネリとアンネリが周りの人と関わり、助け合いながらきちんと『自立』していたからでしょう。
二人ともしっかりしていて自立できているから二人暮らしがOKなのか・・・
はたまた、家族が少女たちを一人の人間として尊重し信頼関係がある中での二人暮らしは教育の一貫として許されるのか・・・
そんなことはよく分からないですが、いずれにせよネグレクトを持ち出す余地などないんですよね。
オンネリとアンネリがどのような教育を受けてきたのかも定かではないですが、彼女たちが羽を広げて羽ばたいている事実が全てを物語っているということでしょうね。
日本では、少子化が進み一人の子にかける親の期待が膨らみ過保護化が加速しつつあるように思えます。
そうかと言って、脱過保護化を図ろうとすると、今度は放任さらにはネグレクトと大きく振れてしまいます。
日本においては、子どものうちからの『自立』がいかに難しいかってことですよね。
そんな自立への一歩は、子どもを子ども扱いせず大人として接することなのかなぁと思ったりしています。
二人暮らしをOKしたオンネリの母親は、オンネリを大人扱いしていたことは間違いなさそうですね。
まとめ
本作品は、まずかわいい・・・
かわいいだけでなく、教育のあり方等深~い問題についても考えさせられる作品になっているということでした。
本当に童話とは思えないですね。
そういった意味で、女の子、大人女子だけでなく・・・たくさんの人に観て欲しい作品ですよね。
ぜひ、ご賞味あれ。
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