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映画『インスタント・ファミリー~本当の家族見つけました~』のネタバレなし感想と考察~3人姉弟を養子に!家族のカタチは色々

2020年12月19日

今回は、コメディ映画の『インスタント・ファミリー~本当の家族見つけました~』(2018年、米公開)。

監督ショーン・アンダース、主演はマーク・ウォールバーグ、ローズ・バーン、イザベラ・モナー。

アンダース監督の3人の子どもを養子にしたという実体験を元に作られた作品。

興味がある人

いろんな家族のカタチを観てみたいな~

だったら、『インスタント・ファミリー~本当の家族見つけました』はどう?
夫婦に3人の兄弟だちを養子に迎えるお話で、実話に基づいて作られているよ。
養子というシビアな問題だけど、軽快なタッチで描かれていて笑いあり感動ありでいい作品だよ~

モモセ
興味がある人

養子か~なるほどね!
3人もいっぺんにって、なんだか想像もつかない感じだから、どんな感じで家族になっていくのか気になるわ~

そうでしょ!
日本でもテレビの特集なんかで養子について見たことあるけれど、あまり馴染みがないし、アメリカほどの認識もないよね。
日本人である私たちも養子について興味を持ついいきっかけになると思うよ。
もちろん、アメリカと日本では、親権や養子制度について違うんだろうけれど。

モモセ
興味がある人

楽しむために、そして勉強のためにも、いいね!
じゃぁ、みどころなんかももう少し教えて!

まだ観てない人にも読んでもらいたく、私なりの視点になりますが、つづってみたいと思います。

映画『インスタント・ファミリー~本当の家族見つけました~』の作品情報

1、あらすじ

ワグナー夫妻(マーク・ウォールバーグ、ローズ・バーン)は、カリフォルニアに住む中年夫婦。リフォーム会社を夫婦で経営していて、仲がいい。

二人には子どもがいなかったためか、『生活に何か欠けている』と思いながら過ごしていた。

そんな折、二人は養子制度を利用しようと思い立ち、ソーシャルワーカーのあっせんの下、ある三人兄弟を養子として迎え入れることになった。

母子家庭で、母が薬物使用のため入所しているという兄弟たち。

お年頃で気難しい長女リジー(15歳)(イザベラ・モナー)、
ぬけていて臆病な長男フアン(グスタヴォ・キロース)、
自由奔放でお転婆な次女リタ(ジュリアナ・ガミッツ)。

子育て経験なく、3人を迎え入れることになったワグナー夫妻に次々なる試練が襲いかかる。

想像していた子どもといる生活とは程遠い現実に、うんざりする二人であった。

でも、しだいに子供たちとの距離が縮まってきて、愛情が育まれていく。

そこにきて、出所した母親に兄弟たちが会うことになり・・・・

2、予告動画

映画『インスタント・ファミリー~本当の家族見つけました~』の感想

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出典:amzon

1、心の機微を感じ取れる長女リジー(イザベラ・モナー)の演技に注目!

本作品のみどころは、赤の他人であったワグナー夫婦と3兄弟が次第に心を通わせていく中での、ふるまい心の変遷を楽しめるところにあると思います。

新しい家族のカタチを作りあげていく過程をみなさん見事に演じられていたのですが、わたしは特に長女リジー役のイザベラ・モナーの演技に惹きつけられました。

長男フアン(グスタヴォ・キロース)は、失敗したりいけないことを指摘されるとすぐ謝ったりとワグナー夫妻の顔色をうかがって嫌われないようにしていました。

次女リタ(ジュリアナ・ガミッツ)は、食事中にもかかわらず「ポテトチップスしか食べたくない」とかんしゃくを起こしたりとわがままな感じをだしていました。

実の親の愛情に飢えているが故に形成された二人の個性ある特徴を上手に演じていて、ある意味分かりやすく心情を読み取ることができました。

一方、長女リジー(イザベラ・モナー)は、育ての親に対する表の顔と裏の顔実の母親に対する秘めた想いなどを気難しい性格をベースに心の機微繊細に演じていて、難しい役どころなのにすごいなぁと感心させられました。

下二人と違って、複雑な心情で、いろいろ考えさせられてしまいます。

見た感じは、大人っぽくてしっかり挨拶もできて、育ての親を受け入れる姿勢ができているんだなという感じ。でも、実際は違っていて、内心は、
『弟、妹の面倒は私が見てきたんだから、口出しとかすんな
『母親面すんな!うざい!』・・・

はじめは猫をかぶっているのか、内心があまり表へでてくることがなかったのが、しだいにワグナー夫妻のいないところで嫌がらせ・不満をぶちまける。

笑顔を作っておいて、
いいよと勧められた櫛をトイレの中に捨てたり
自分の好きな男を隠し別の男を好きな男と嘘をついたり・・・

さらに、進んでくると、反抗的な態度をとり、不満を口にだして本音をぶつけていく

態度と相まって、彼女の中の心情の変化が、ワグナー夫妻との関係性を物語っていることがよく読み取れました。

一番彼女の演技で印象的だったのは、実の母親に対する想いですね。

ワグナー夫妻との関係性がよくなっても、最後の最後まで実の母親と一緒にいたいという想いが募っているところが、家庭裁判所での母親に向ける視線であったり、ラストの涙に込められていました。

育ての親に対する芽生えてきた愛情生みの親に対する揺るがない愛情の中で、もがき苦しんでいる彼女の熱演に、胸が熱くなりました。

苦しいねぇ・・・と包み込んであげたくなるシーン・・・感動的です。

女優イザベラ・モナーの子どもと大人のはざまで揺れ動く名演技!

観るときっと、引き込まれます。

彼女のファンになっちゃいますよ~それにしても、美人ですね!

2、ドタバタ感が笑える!

養子を受け入れるという重たい社会問題を、笑いを取り入れてポップに描いているところも本作のみどころです。


もちろんシリアスに真正面から向き合うことの大切さを教えてくれる感傷的なシーンもありますが、ワグナー夫妻と3人兄弟との日常を描くシーンは、たいがいが軽快でどこにでもある家族の日常を描いています。

「うちも、うちも・・・!」と、自分の家族なんかと比べながら、笑いながら楽しめる感じになっていると思います。

例えば、食卓を囲むシーン。

次女のリタが言うことを聞かずわめき散らす。
妻エリーが叱る。
夫ピートがなだめる。
食卓に置かれた物がとんでもないことになって・・・
それで、しっちゃかめっちゃかに・・・
長女リジーはあきれ顔。

この感じのドタバタ感が、親しみも沸いて面白いですね~

あんまりシリアスなことは笑えないですが、他の家のハチャメチャな感じは覗いてみて楽しみたいというのが、私たちの本音ではないでしょうか。

3、実体験者の養子縁組ミーティングがためになる!

本作品は、養子縁組について実体験者が集まって報告したり、意見しあったりするシーンがあります。

ソーシャルワーカーや養子を迎え入れた先輩方からのアドバイスを受け入れて、ワグナー夫妻も実践していきます。


例えば、反抗的な態度をとられた時の対処法として、『①律する、②リンクする、③理解する』をアドバイスされ、その通りに長女リジーにやってみたシーンは印象的でした。

なるほどな・・・と。

養子というものを社会の問題として考え、当事者である家族だけでなく、周りにいるみんなが寄り添っていくという姿勢もこのミーティングを通して描かれており、大変意味のあるシーンであり、素晴らしい脚本構成だなぁと感じました。

映画『インスタント・ファミリー~本当の家族見つけました~』の考察

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1、【親権制度】家族とは何か?~誰が家族を決めるのか。

本作品を観て、家族(ここでは、一緒に生活する)を誰が決めることができるのかという点で、非常に複雑な問題をはらんでいるなぁと感じました。

生みの親なのか?
育ての親なのか?
子どもたちなのか?
親権問題を扱う家庭裁判所なのか?

本作品では生みの母親は、薬物におぼれて刑務所にいて、3人の子供を育てていく財力や素養や心の余裕もない方です。

こういった親の義務を果たすことが期待できない母親にすら生みの母親の意思が最も尊重される傾向にあるよう描かれていて、実際にもこのような傾向にあるとすれば、何か腑に落ちない感じが私の中でしています。

現に、一度親権喪失の審判を受けたとしても、本人(生みの親)の請求で再び親権を復活することが可能です。本作品でも生みの母親が3人の子どもの親権回復を求める請求を家庭裁判所にしています。


親の義務を果たすことが期待できない母親の判断により、子どもたちと幾度となく面会したり交流したりして、子どもたちの心情を揺さぶります。本作品でも、育ての親にしがみついて離れようとしない次女を無理やり生みの親に抱きつかせにいくシーンがありました。子どもの心情をあまりにもないがしろにしているのではと感じました。「生みの母親に会った後数日、子どもたちが荒れて、まともになったところにまた面会で・・・」と子どもへの心情の揺さぶりが、新たに生み出されようとされる家族への支障になっていることを育ての親(ワグナー夫妻)が語っていました。

親権復活を家庭裁判所が最終的に決定するといっても、サインするのは生みの親です。

育ての親と子どもたちの間に芽生えてきた愛情生みの親子間にある愛情ある・なしと決めつけることはできるわけないと思います。

いくら親の義務を果たせない生みの親であっても、生んでくれた親であり、お腹を痛めて生んだ子どもたちなわけですからお互い愛情があって当然でしょう。

だからこそ、愛情云々ではなくて、子どもたちが健全に生きていけるかどうかをもっと実質的に判断することが必要であると思います。

生みの母の言いなりで、子どもたちの面会が認められ、子どもたちの心情を揺さぶりもてあそび、親権への復活が認められている現実があるのであれば、制度自体が子どもの福祉のためにも上手く機能していないのではないかと思った次第であります。

ただ、この映画を観て感じたことであって、実際の親権制度を詳しく学んだわけではないので、今後機会があればより深く考えてみたいなぁと思います。

虐待と絡めて現実問題として親権制度については、私たちにとって身近な問題になりつつあります。

そういう意味でも、本作品を視聴することは有意義であるのではないかと思います。

2、【養子縁組制度】養子縁組の実態は?

本作品を観て、印象的だったシーンの一つに、養親になることを希望する者と養子になろうとする子どもとの交流会があります。

そこで、ティーンエイジャー(10代)の養子になろうとする子たちが大勢でたむろっていて、彼らだけで孤立して近寄りがたい雰囲気を作っていました。

親に捨てられた孤独な子たちが冷たい視線に対抗するかのように精一杯の虚勢を張っているように私には見えました。

多くの養子になろうとする子達は、『自分は親に捨てられたんだ』自分は邪魔な存在なんだ』と思っており、なかなか人との距離を縮めることはできないと思われます。養親になってその子を受け入れようとする者たちもどのように彼らと接していけばいいか分からないことが多いようです。

特に、ティーンエイジャーの養子になろうとする子たち受け入れることが難しいことは想像に難くないです。

ある程度の性格形成がなされており、実親との関係も理解している年頃です。反抗期とも重なったりして、養親になろうとする者もやりにくさを想像してしまうのでしょうね。

本作品の長女リジーは15歳でした。彼女に対する接し方にワグナー夫妻は相当気を遣っていました。

それでも、絆を深めようとお互いが歩み寄ろうと努力しているところが見受けられ、ティーンエイジャーを受け入れることに前向きになれる演出になっていたと思います。

さらに、アメリカでは、本作品のように自身に子どもがいないために養子を迎える場合もあるでしょうが、実の子どもがいても養子を迎え入れる場合も珍しくないようですごいなぁと正直に思います。社会に対しても、そのご家庭に対しても・・・

女優アンジェリーナ・ジョリーと俳優ブラット・ピットとの間には実子が2人がいるにもかかわらず、養子を迎えていて当時少し衝撃でした。ただ、経済的余裕がある方たちなので、まあ出来るよなぁとは思いましたが・・・いろいろ苦労もあるでしょうね。

有名人に限らず、孤児や虐待などで養親を必要としているティーンエイジャーを含む子どもたちに救いの手を差し伸べることのできる方が世界には少なからずいるという現実を知ると、うれしい気持ちになります。

日本の養子縁組はというと、アメリカほど広まってはいないのが事実です。

ただ、虐待やネグレクトされた子どもたちの福祉に重きを置いた民法改正がなされましたね。

生みの親との親子関係を断絶させる特別養子縁組の対象が拡大されました(2020年4月から施行)。原則6歳未満が対象年齢でしたが原則15歳未満に引き上げられ、15歳から17歳までの子どもは本人の同意などを条件に例外的に対象となりました。

虐待やネグレクトが社会問題とされている現実に沿う形で法律が出来たのであるならば、その法律制度が骨抜きにならないように子どもたちの福祉を少しでも考えて、より多くの日本人が養子縁組をポジティブに考え受け入れることができればいいなぁと思います。

まとめ

日本ではあまり馴染みのない養子縁組制度。

アメリカと日本では、養子縁組制度の内容も違っているけれど、養子縁組をする際の問題や生活するうえでの問題はとても参考になります。

温かいホームコメディな映画を観たい人はもちろん、養子について考えてみたい方にもオススメの作品になっています。

ぜひ、ご賞味あれ。

以上

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